ITの受託開発はだいたい人月でナンボの世界。

要するに時間でナンボ。

個々プログラマの生産性の違いとか創造性とかそんなんは殆ど関係がない。

価値のあるものを作るより言われたもの言われた通りに作る事の方が重要な仕事。

本質的には工場のラインのバイトとかと一緒。

・・・の場合が多いと思います。

勿論全部が全部では無いと思います。あくまで私の偏見です。

受託開発、無くなればいいのに。

いやいきなり全部なくなると困るんですけど。

米国のベンダーはそこに製品を供給する役割であり、日本でいうSIerというのはほとんどなく、あっても企業でリソースが不足したらそれを補う役割でしかない。契約にしてもはっきりしますよね。提供されるプロダクトやサービスに対する対価を払えばよいわけで、かかった人月で支払ういう出来高払いのような形態は少ない。日本のようにベンダーやSIerに丸投げして、できてからこんなはずではなかったなんて事態にははじめからならない構造なのだ。

IT業界構造 – 親子丼的ビジネス奮闘記(4) (mark-wada blog)

誤解を恐れずに言うと、プライムベンダーとか企画/開発力があるお会社は別ですけど、そうでも無い限り、受託開発をやるような会社は潰れてしまえばいいと思っていますし、その片棒を担ぐ位なら職を辞します。

何故って、私の様な中途半端なモンや、チカラの無いお会社は、そのやり方ではお客様を、自社を、そして社員も幸せに出来ないからです。

それどころかかなりの確率でどっかで揉める。

極端な例ですがスルガ銀-IBM裁判みたいなものもあるし、従業員と会社の場合もあるし。

IT関連の労働市場は他と比べて流動性が高い事もあって、多くの従業員はもの言わず辞めていくだけなので、揉めるまではいかない場合が殆どかもしれません。

ブラック企業 ITで2chを検索すれば山ほどでてきます。

辞めていく社員だって将来の顧客またはパートナー予備軍です。

悪評を垂れ流す事に無頓着な企業は長期的には淘汰されていくことでしょう。

いわゆるエンドユーザ企業の立場から言うと、良い人見つけるの大変なんですよ。SIerとかソフトハウスとかのエンジニアが、もっとエンドユーザ企業に散らばっれくれたらいいのに。

と言うわけで、昨今「内製回帰」なんて言葉がチラホラ聞かれるようになってきた事は、個人的には喜ばしいと思っているものの、なかなか経営者や非技術者の意識がまだまだそこまで到達していないと感じる事が良くある。

そういう人々と話をすると、私が当たり前と思っている事、たとえば「受託開発する位なら云々」とか、「現場でのビジネスと技術が判る人材の育成」の話をすると、すごいリアクションが悪いというか、時と場合によっては何を言っているんだコイツ感がハンパないです。

前提知識の共有無しにいきなり結論を言ってしまう私も悪いが、さりとて全部ソラで説明できるほど私の中でも咀嚼できていない気がするんで、軽く考えを纏めたいと思う。一度には出来ないかもしれないんで、何回かに分けて。

「現場でのビジネスと技術が判る人材の育成」なんて、一生懸命伝えようと頑張ってみるんですけど、なかなか伝わらないです。

重要なポイントは1つだけです。システム部門がビジネスに貢献するためには、自社の事業に対する理解が必要なだけではなく、その遂行手段である業務プロセスの理解が必要だ、という圧倒的な事実があることだけ。

簡単な話なんですが、自分達で管理できないものを改善できるわけが無いんですよ!当たり前じゃないですか、そんなことは。仕様書をどんなにしっかり作ったとしても、実際に動かすプログラムは絶対に変化していきます。変化に即応するためには、プログラムの状態を常時把握しておくしか無いんですよ。だから、プログラムを自分達で書いて内製するしかないんですよ。

IT部門と経営の溝を埋めるために必要なたった1つのこと – GoTheDistance

こういう風な話も、前提知識が無いと理解されるのは難しいです。じゃあそれも含めて外でやってもらったらいいじゃんみたいな事を言われ、腰からくだけ落ちそうになるのがオチです。

企業とは、経営とは、戦いです。

勝つために、リソースを配分します。

IT内製とか人材育成とかは、兵站だと思います。

彼ら(技術者)は直接戦闘をする訳じゃ無いので経営者の関心が低い場合が多いですが、それを軽視する企業に継続的な勝利は難しいでしょう。